食事と料理と私の話④
前回の話
前にも少し書きましたが、私の食事のルーツは祖父母です。祖母が作る料理と食道楽の祖父が連れて行ってくれる外食が私の食事の原初です。
離乳食の段階から祖母が作ってくれていて、引っ越して祖父母と別居するまでは、あまり食事に困ったことはありませんでした。魚は骨をとってもらった状態で出てきたし、おかずは子どもの小さい口に合うサイズで準備されていて、ご飯はやわらかく炊かれていました。祖母はお酒が好きだったのもあってか、味付けは甘い辛いがはっきりしていましたが、すっぱいものは少し苦手で酸味が優しいものが多かったです。
なので、私がイメージする「おいしいご飯」というのは祖母が作ってくれる私の口に合うご飯だったのですが、母にとってはそうではなかったようです。
といいますのも、三女Nが生まれて私が台所に立つ機会が増えると私の作った料理に対して
「ご飯がべちゃべちゃ」
「こんなに小さく切って鳥の餌かいな」
「ぼやけた味の酢の物やな」
などとよく言われました。母至上主義の父ももれなく文句を言ってきますし、私と違って祖母の味より母の味に慣れた次女Mも
「ねえちゃんが作ると味違っていややわ」
とか言ってくるので味方は一人もいませんでした。
なので、ご飯の水分は思っているより少し控えめ、酢の物はお酢をしっかりきかせる、野菜を切るときはなるべく大きめといったことを意識して作っているうちにいつしかそうやって作るのが当たり前になっていました。
実家を離れて夫と暮らすようになると、夫に
「なんで野菜切るときそんなに大きいの?」
の聞かれ、
「煮崩れしても形が残るように…」
とか答えていたのですが、突き詰めていくと別に好きで大きく切っていたわけじゃないな、ということがわかって最近は前より小さく切るようになりました。
ご飯の水加減は夫が固めご飯が好きなのでそのままですが、酢の物は夫が苦手なので優しく仕上げるようにしています。
祖父母の味に固執しすぎず、今一緒にいる家族に合わせて家の味を作っていけたらなと思っています。